まずは自分の興味関心をもとに探究学習をしていることが重要だと思います。

受験生が合格するために実際に行ってきた具体的な施策をご紹介します。

受験生情報

Hさん 

慶應義塾大学 総合政策学部(定員150名)
AO入試(総合型選抜)合格 2021年4月入学
【受験について】
・選考:書類審査、プレゼン動画

合格した大学を教えてください。

私は慶應義塾大学の総合政策学部に合格しました。

英語に関して何か資格を持っていましたか?

準2級を取得していましたが、調査書にはあえて書きませんでした。

他にどこの大学を受験していましたか?

関西大学の社会安全学部をAO入試で受けていました。1次試験は合格したのですが、2次までに慶應が合格していたので、関西大学は辞退しました。

どんな高校生活を送っていましたか?

私は定時制学校に通っていて受験は高校4年生の時にしています。
小学生のころからバイオリンをやっていて、高校生の時は学校外のオーケストラ団体に所属していました。
ですので、高校3年生の途中までは音大を目指していました。

音大から慶応義塾大学の総合政策学部に切り替えたきっかけは何でしたか?

高校3年生の4月に防災に関する講話があって、そこで東日本大震災の時に多くの障害者や高齢者が逃げ遅れて亡くなってしまったことを聞いて、防災のことに興味を持つようになりました。というのも、自分自身も中学生の時に起立性調節障害を持っていて、ベットから起き上がることができないという経験があったので、「大震災が来たら自分と同じ境遇の人も逃げ遅れるのでは?」ということを考えるようになりました。
そこから防災のことを調べるようになり、大学でも防災のことを学び続けたいと思うようになり、慶應SFCを目指すようになりました。

具体的に防災に関してどのような探究学習をしていったのですか?

内閣府が出している防災白書をネットで見ていました。防災白書で、自分のような起立性調節障害を抱えている若者がしっかりと想定されているかを確認しながら読み進めていました。
また、防災士の資格も取得したり、防災関連の団体が主催するツアーにも参加しました。福島に2泊3日で学びに行ってきました。
学校の修学旅行で北海道へ行ったときも、北海道の防災に関して自分で調べて、探究をしていました。
高3の冬からAO対策塾に通い始めたのですが、そこの先生が自分の探究学習の壁打ち相手になってくれて、探究をより深めていくことができました。

どのように深めていったのですか?

最初は、「災害時の人権問題と避難所内の問題を建築デザインの視点で解決する」ということを大学に入ってからやっていきたいと思っていたのですが、塾の先生が、「あなたのアイデアの実現可能性は何パーセントぐらいなの?」「果たしてその解決策で根本的な問題は解決されるの?」というツッコミをしてくれたことで、自分の考えが机上の空論であることを痛感しました。
そこから実際に災害現場に携わる人にインタビューをしに行きました。防災科学技術研究所のシンポジウムに参加して、会が終わった後に話を聞きに行ったり、企業の防災対策フェアーのような展示会に足を運んでいろんな企業に話を聞いたりしました。
また、そういう集まりに参加するとたいてい官僚の方やNPOの方もいたりするので、自分から積極的に声をかけて話を聞くようにしました。
様々な視点で防災について考えることができるようになったことで、自分の防災に対する考え方も変わっていきました。
また、Googleスカラーで防災に関する論文を読んでいると、行政法や統計学のことが論文中に出てきて、全然理解できなかったので、そういったことも大学で学びたいと思うようになりました。

最初に立てた課題設定からどのように変化していきましたか?

探究を深めていったことで、最初に考えた課題設定が、いかに抽象的で、自分事からかけ離れたものであったかを知ることができました。本気で自分の課題解決策の実現可能性をあげるのであれば、社会課題を解決することによって救われるターゲットを絞る必要性を感じました。ターゲットを絞ることでより具体的なアクションを起こすことができるようになったと思います。

慶応義塾大学総合政策学部の志望理由書で意識したことはありますか?

冒頭を小説っぽくして、読み手に感情移入してもらえるように工夫しました。
さらに、「なぜ私がその課題解決をしなければいけないのか」を力強く書きました。
というのも、慶応義塾大学の総合政策学部は特に、「課題解決のプロの育成」を掲げているので、自分は課題解決のためにアクションを起こせる人間であることをしっかりとアピールしました。
また、大学で学びたいこととして、立法や行政、NPO、社会学など、防災に関わる幅広いことを学んでいきたいと書きました。

総合型選抜で合格するために必要なことは何だと思いますか?

個人的に思うことですが、高校ではとにかく自分の興味関心を尖らせることが必要だと思います。
尖ってくると自分の限界を感じるようになって、近接する学問領域を学んでみたいと思うようになります。
それが大学で学ぶ理由に繋がってくると思うので、まずは自分の興味関心をもとに探究学習をしていることが重要だと思います。